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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第5章 神隠し騒動編


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(なんだぃなんだぃ、翔吾さんもなかなかどうして、男前な父親じゃあないかぃ(笑))



何時もとは違う(笑)落ち着いた様子に感心していたら

すっかり悪党一味をやっつけた雅吉が、腕組みをしてあたしの隣にスッと並んだ



雅吉「二人とも無事みてぇだな、いや、良かった良かった(笑)」

にの江「良かないよ!着物の袖を台無しにしやがって!誰が繕うと思ってんだぃ!!」

雅吉「あっはっはっはっ!!ソコは勘弁してくれょ、にの江よう!!(笑)」

にの江「…ふん///」

雅吉「ははは、怒るなって(笑)

おぉい、翔の字!悪ぃが子供らをこっちに連れて来てくれや!!」

翔吾「Σはいっ!?(汗)」



雅吉は強がりの文句を言うあたしの肩を抱き寄せると

何時もと同じように、カラカラと笑って翔吾さんを呼んだ

雅吉に声をかけられた翔吾さんは、急に呼ばれて焦ったのか、ビクッと体を跳ね上がらせて返事をした



翔吾「Σおわっ!!?(汗)」


─どすん(←結果、荷台から足を踏み外して落ちた(笑))


恋太郎「……………やっぱ、へたれら。」(←荷台から落ちた父親に超冷たい目線を送っている)

侑李「………(汗)」(←なんとも言えない(笑))


にの江「…ったく、しょうもなぃねぇ(苦笑)」



あたしはちょっと苦笑いしながら

せっかく男前だっあのに、最後は何時もと同じ父親を呆れて見ている恋太郎ちゃんと

その隣でどうしたもんだか解らず固まるあたしの可愛い侑李を迎えに

手押し車へ向かった



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