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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第5章 神隠し騒動編


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それを見て、翔吾さんが子供らを麻袋から助け出す



翔吾「大丈夫かぃ、お前たち!怪我ぁしてなぃかい!?」

侑李「だいじょうぶです、ありがとう、しょうごおじさん」

翔吾「そうかぃ、無事で良かった……恋太郎や、お前も怪我はなぃかぃ?」

恋太郎「………」

翔吾「Σこ、恋太郎どうしたんだぃ!?どどどど、どどっか痛いとこでもあるのかぃ!?とと父ぉさまに見せてご覧!!どんな傷だって治してあげますからねッ!!!」



黙り込む恋太郎ちゃんに焦って、翔吾さんがわたわたと懐を漁る(←どうやら色々薬を持って来たらしい)


その姿を、じっと黙って見ていた恋太郎ちゃんは

しばらくそのままじっと翔吾さんを見ていたと思ったら


黙ったまま、ギュッと父親の腰に抱き付いた



翔吾「……恋太郎?」



翔吾さんは、黙って自分に抱き付く我が子を優しく抱き締めると

自分の腹の辺りに押し付けられた恋太郎ちゃんの顔を覗き込んで

ゆっくりとその小さな頭を撫でた



翔吾「……恋太郎どうしたんだぃ?大丈夫かぃ?」

恋太郎「………とぉたま」

翔吾「なんだぃ恋太郎」

恋太郎「………かった///」

翔吾「…うん?」

恋太郎「………こいたろー、こわかったの////」

翔吾「………そうかぃ」



怖かったと言いながら顔を上げた恋太郎ちゃんに、優しく微笑みながら

翔吾さんが、何時もとはうって変わって穏やかな落ち着いた声で言った



翔吾「でも、もう怖いことなんか何もありませんからね?

だから父さまと、母さまが待ってる家に帰ろうね?」

恋太郎「………うん////」



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