• テキストサイズ

蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第5章 神隠し騒動編


.



だが

雅吉は受け取った剣を抜こうとはせずに、鞘に収まったままのそれを用心棒に向けると

ちょいと肩を竦めた



雅吉「悪ぃがなぁ

俺には可愛い女房とガキがいるんだ

本気の斬り合いなんざぁ御免だぜぃ」

用心棒「…ふん」



用心棒は澄ました顔の雅吉を見てまた鼻を鳴らすと、子供らを入れた麻袋の紐を解いた



にの江「!!…侑李!!///」

翔吾「こっ、こいちゃろうッ!!!///」(←噛んだ(笑))

用心棒「ならば、本気を出さずに妻子の前で無様に斬り捨てられるがよいわッ!!」

侑李「ははさまぁっ!!ととさまぁあっ!!!////」

恋太郎「にぃえねぇたんっ!!!」(←ソコはとぉたまなのでは?)



麻袋から顔を出した子供らが泣きながら親を呼ぶ目の前で(←恋太郎は親を呼んでませんが(笑))

用心棒が抜いた刀をギラリと頭上に翳した



用心棒「雅之進、覚悟ッ!!」



言うが早いか、鋭い一撃が雅吉目掛けて振り下ろされた



雅吉「っ!!」



それを、雅吉が鞘に収まったままの剣で辛うじて制する




切っ先が雅吉の腕を掠めた様で、はらりと袖が垂れ下がった


その切れた着物の隙間から、腕に一筋の赤い線が滲むのが見える


ソレを見て、侑李が涙を浮かべ悲鳴を上げた



侑李「いやーっ!!ととさま、ととさまぁっ!!////」



.
/ 286ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp