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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第5章 神隠し騒動編


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雅吉「よぅ、忠義の

なんか動きはあったか?」

大倉「Σあっ、相葉さん!良いところに…」



川をぐっと迂回して、屋形舟から影になるように身を潜めて大倉さんが居る芦の茂みに到着すると

雅吉が早速大倉さんに声をかけた



すると、大倉さんは少し慌てた様子で声を潜めて

屋形舟の方を伺いながら言った



大倉「先程、奴らの仲間が来まして、いまから荷が届くから出航の準備をしておけとか何とか話してまして…

…ですから、もう間もなく荷が届くのではないかと思います」

にの江「荷って……侑李と恋太郎ちゃんのことかしらね?」

大倉「え?…あ、にの江さん??あれ?それに翔吾さんも…」(←ビクビクしながら見張りをしていたため、にの江と翔吾が居ることに気付かなかったらしい(笑))



大倉さんはあたしと翔吾さんの顔を見比べて目をぱちくりとさせると

雅吉の方を向いた



大倉「何故お二人をお連れになったんです?

それに、何故侑李ちゃんやら恋太郎ちゃんの名前が…」

雅吉「…だからょ」



雅吉は、屋形舟の方を睨み付けながら、静かな声で大倉さんの問いに答えた



雅吉「今夜、あの舟に積まれる荷の中身が

うちんとこの侑李と、翔の字んとこの恋太郎なんだょ」

大倉「Σえぇっ!?」

にの江「しっ!

静かにおしよ!!」



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