第5章 神隠し騒動編
.
雅吉「はぁああ〜〜、食った食った!!
いやぁあ、腹いっぱいでぃ!」
雅吉は、綺麗に米粒一つも残っていない茶碗を卓袱台の上にでんと乗せると
ふんぞり返って腹をぽんぽんと叩いた
にの江「ちょいとお前さん!
本当にこんなに呑気にしてても良いのかぃ?
早く侑李と恋太郎ちゃんを助けに行かなけりゃ手遅れになったらどうするんだぃ!!///」
侑李と恋太郎ちゃんが、人買いに拐かされて上方へ売られようとしているのは、まず間違いが無いって言うのに
直ぐに二人を助けに行くのかと思いきや
雅吉と来たら
「腹が減っちゃあ戦は出来ねぇ!」
なんてぬかして、呑気に飯を食い始めた
あたしは、侑李のことが心配で心配で
一刻も早くその無事を確かめたかったのに、雅吉は飯を食い終わってなお、ノンビリと伸びなんかをしてやがった
雅吉「あ〜、そう焦るなってにの江ょ
荷が出るのには一刻はかかるって言ってたんだからょ
あんまし早く行って、逆にやつらに感づかれちゃあ、二人の行方が解らなくなっちまうかも知れねぇからな」
にの江「でもっ!!////」
翔吾「雅吉兄さんの言う通りですょ、にの江さん
あまり早まって事を仕損じては恋太郎。
それでは本末転倒で恋太郎。
だから、ここはぐっと堪えて時期を見て恋太郎。」(←愛息子を心配する余り語尾が“恋太郎”になっている(笑))
にの江「……………やっぱり、翔吾さんは置いて行った方が良いんじゃなぃかぃ?(苦笑)」
あたしは、真顔で“恋太郎”を連呼する翔吾さんを見て、苦笑いした
.