第5章 神隠し騒動編
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俺は再び腕組みをすると、ゆっくり川辺を歩き出した
その後を、忠義が慌て付いて来る
雅吉「ほれ、最近流行りの神隠しってやつの噂は知ってるだろう?」
大倉「ええ、可愛いって評判の、幼い男の子ばかりが居なくなるって言う、例の噂ですよね?
何でも、あんまり可愛いすぎるんで、神様に拐かされちまうんだとかって言う…」
雅吉「あぁ、そいつだ
でもょ…どうやら神様の仕業じゃなくて、人買いの仕業かも知れねぇんだょ」
大倉「Σひ、人買いですか!?(汗)」
雅吉「あぁ……お前、子供屋ってのは聞いたことねぇか?」
大倉「子供屋……って、吉原みたいに女の子ではなくて、男の子ばかりを売り買いするって言う、あの……」
雅吉「その、子供屋さ
どうやら、人買いのやつらが上方の子供屋に拐かした子供も売りつけてるらしい」
大倉「じゃあ、相葉さんは噂の幽霊舟は、拐かした子供を乗せた舟だと…」
雅吉「あぁ、陸路じゃあ関所があるからな
恐らくそれで人目の付きにくい夜にこの川を使って子供らを運んでいるんだろう
それが、この川が夜釣りの名所だったのが災いして釣り人に見つかっちまったんだろうな」
大倉「はぁ」
雅吉「だから、最初の“舟から子供のすすり泣く声が聞こえる”って話しだけ本当で
んで、恐らく後は人買い共が人を寄せ付けない為に、やれ幽霊舟だの神隠しの祟りだのって噂を流したんだろう」
俺は、遡って歩いた川岸に、沢山の芦に隠される様にしてある屋形船の前で止まった
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