第5章 神隠し騒動編
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雅吉「……にの江、そいつぁ神隠しなんかじゃねぇかも解んねぇぜ」
にの江「……どう言う、事だぃ…?」
雅吉「ん?…まあ、とりあえず座るべょ」
雅吉はあたしを落ち着かせる様に優しく微笑むと
あたしを抱いたままその場に座って、かいた胡座の上にあたしを座らせ
柔らかくあたしを抱き締めた
雅吉「実ぁなぁ、夜釣りってのは建て前でょ
俺ぁさっきまで、ちょっと妙な噂の真偽を確かめに行ってたのさ」
にの江「……妙な、噂?……神隠しのこと……かぃ?」
不安げに自分を見上げるあたしの頬を、ゆっくりと撫でながら
雅吉がにっこりと微笑む
雅吉「いや、別の噂を調べに行ったんだがなぁ
どうやら、強ち神隠しの噂と全く関係ねぇ噂って訳じゃあ無かったらしぃや」
にの江「?………どう言う事なんだぃ??」
雅吉「あぁ、それがな…」
雅吉は、柔らかく微笑んだまま、撫でていたあたしの頬に優しい口付けを一つ落とすと
『夜釣り』の顛末を話し始めた
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雅吉「子供のすすり泣きが聞こえる幽霊舟だって?」
大倉「そうなんですよ、相葉さん!!(汗)」
礼儀正しい忠義にしては珍しく、もうじき夕飯だって時分に押し掛けて来たと思ったら
その忠義が持って来た話が、なんだか面白ろそうな話しだったんで
俺は、幽霊舟の真偽が掴めないと落ち着いて夜釣りが出来ないから一緒に調べて欲しいと言う忠義に乗っかって
その噂を確かめに、幽霊舟が出るって言う川へと向かったんだが…
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