第5章 神隠し騒動編
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にの江「なんでもないよ?ただ、侑李は可愛いなぁって思ってただけさ」
侑李「えへへ…ははさまは、いつもとぉっても、きれいだょ///」
にの江「ふふふ、まぁ、ありがとう侑李(笑)」
侑李「えへへへ////」
にの江「さ、じゃあ行こうかね?」
侑李「はぁい」
照れくさそうにクスクス笑いながら返事をする可愛い我が子を連れて
あたしは益々薄暗くなった町へと買い物へ出掛けた
…連れて歩いてさえいれば、神隠しに遭ったりなんかしないって
ただ漠然と、そう思い込んで…
でも
今思えば、誰か信頼の置ける人のとこにでも預けておけば良かったのかも知れない
どうしたって、一瞬でも、目を離さず手を離さずに居る事なんざ、出来やしないのだから…
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にの江「あぁ、良かった、味噌が買えて
さぁ帰るよ侑李………………侑李?」
案の定、閉まっていた店の店主に頼み込んで味噌を買ったあたしは
味噌の代金を支払った後、そこに居るはずの侑李を振り向いて見た
けれど
そこに居るはずの侑李の姿は、どこにも見えなかった
にの江「ゆ……侑李?
まさか……そんな……
侑李!……侑李っ!!
ゆぅーりぃいいーーっ!!!////」
必死にその名を呼ぶも、あの、『はぁい』と言う可愛い返事が返る事はなく
すっかり夕暮れた町に、あたしの絶叫がただ虚しく響いていた
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