第5章 神隠し騒動編
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にの江「なんだぃあの馬鹿は、こんな時分から寝てやがるのかぃ?(苦笑)」
侑李「あのね、さっきね?
ととさまね、おーくらの道場から帰って来てね?
それでね、疲れたぁ、って言って寝ちゃったんだよ」(←すっかり“おーくら”呼びが定着した模様(笑))
にの江「そうかい…また、大倉さんのトコに行ってたのかい
全く、毎日道場へ行って、何して遊んでやがんだかねぇ」
あたしは、あたしに甘えて膝の上に乗っかる侑李を抱きしめながら
夕飯前から眠りこけている馬鹿亭主を横目で見てため息をついた
すると、布団がもぞもぞと動いて、そのまま掛け布団がもぞもぞとこっちにやって来てあたしの目の前で止まると
中から雅吉が、キョロッと目だけを覗かせてあたしを見上げた
にの江「…………何やってんだぃ、このオタンコナスは。」
雅吉「…………何って、ちったぁ可愛い亭主を構ってやったらどうなんでぃ。」(←笑)
にの江「はぁ?何馬鹿な事をぬかしやがんだい、このスットコドッコイが!
三十路の野郎の何処が可愛いって言うのさ!」
雅吉「………そりゃ、俺ももう三十路だけどょ
お前ぇさんよりゃあ歳食ってねぇぜ」(←あ、そんな事言ったら…)
にの江「あんだって(怒)」
侑李「ははさま、ととさま、けんかしちゃ、いやだ///」
何時も通り雅吉を怒鳴りつけるあたしを見て、侑李が不安そうにあたしの袂を引っ張った
にの江「馬鹿だねぇ、侑李
ははさまとととさまは喧嘩なんかしてないょ?
そもそも、喧嘩ってもんは、対等な立場の者同士がするもんだからね」
雅吉「そりゃあどーゆー意味でぃ、こんちきしょー!」
雅吉はあたしのセリフを聞いて、勢い良く被っていた布団を剥ぐと
あたしの膝の上の侑李ごと、あたしをガバッと抱きしめた
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