第4章 禅寺人斬り騒動編
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祖父「お前さんらか、娘と若君のことで話があるとかいう輩は
んん〜?」
しばらくすると、やけに胡散臭い感じの爺さんが目をぎょろつかせながらやって来た
しかも
どうも何だか成金臭い
あたしは
いくら大名家に娘を嫁にやった大百姓だと言っても、余りに派手で羽振りが良さそうな爺さんに
言いようのない不信感を覚えた
にの江「実は…」
祖父「おおっ!なんじゃ娘のことで話があるなんぞとぬかして、本人じゃぁないか!
おい、娘や!今日は直に錢を持って来たんかい!」
にの江「……………は?」
いくら似ているからと言って
幼子ならまだしも、自分の娘を見間違える爺さんに、益々不信感が募る
あたしはそれでも、侑李ちゃんの手前何とか声を荒げることなく言った
にの江「あたしはあんたの娘さんとは別人ですよ
実は、訳あって…娘さんは大名家を出て、遠くに行かれる事になってしまったのです
それで、娘さんからの言付けで、祖父であるあなたの元で、この侑李ちゃんを引き取ってもらいたいと…」
祖父「ああん?大名家を出たっちゃあどう言うことだい!
大事な金蔓んとこおん出て、何処行きやがったってんだ?ああっ!?」
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