第4章 禅寺人斬り騒動編
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にの江「………はあっ!?(怒)」
雅吉「まあまあ、二人ともそう喧嘩腰になりなさんなって(笑)」
娘の事を心配する素振りを一切みせずに、金の事ばかり言う爺さんに
とうとう耐えきれなくなって喧嘩腰になるあたしを片手で制して笑うと
雅吉が部屋の入口でぽかんと口を開けて座っている女中に声を掛けた
雅吉「悪いんだがな、お前さん
話が終わるまで、ちょいとこの坊主を表で遊ばせてやっててはくんねぇかい?」
女中「はい、解りました」
雅吉「…侑李、悪りぃなあ…ちょいと、外であのお姉ちゃんと遊んでてくれっか?」
侑李「…………」
侑李ちゃんは、不安そうな顔をしながらも、小さく頷いて立ち上がると
黙って女中の傍へ行った
雅吉「…………あんたの娘さんなぁ………跡目争いのいざこざに巻き込まれて……死んじまったんだよ」
侑李ちゃんが女中と部屋を出て行って、外へ出て行く気配がした後
雅吉が徐に核心を話し出した
爺さんはソレを聞くと目を剥いて、ばんと畳に手を付いた
祖父「なんだってぇっ!?じゃあ、コレから誰が錢こを寄越してくれるってんだよ、ああっ!?」
にの江「なんだぃ爺さんっ!!さっきから聞いてりゃあ錢だ金だって!!殺された娘さんと遺された孫を可哀想だとは思わないのかいッ!!(怒)」
あまりの爺さんの強欲っぷりに堪忍袋の緒が切れたあたしは
ガバッと立ち上がると爺さんに向かって怒鳴った
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