第3章 養子騒動編
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バタバタと足音を荒げながら、さっき恋太郎ちゃんを連れ去ろうとした連中がやって来る
その中の、頭のお侍があたしらを見つけると、苦虫を噛んだ様な顔をして怒鳴った
「おのれぇ、貴様等は先刻の宿屋の連中だなっ!!
さては、智子姫様を拐かしに来よったのかっ!?」
にの江「何をバカなコトを言ってるんだぃ、このスットコドッコイッ!!
拐かしをしてんのはアンタらの方だろっ!!
だいたいねぇ、親子を引き裂こうなんざ、マトモな人間のするコトじゃあなぃよッ!!!」
あたしはお門違いなコトをぬかしやがるお侍をキッと睨み付けて腕捲りをした
にの江「お前さんっ!あたしが許してやるから、今日と言う今日は、人斬りにでも何でもなっちまぃなッ!!(怒)」
雅吉「お前なぁ、なんつーことを言いやがるんでぇ(笑)」
雅吉は息巻くあたしを見てのんびりと笑うと
念の為にと大倉さんが用意した刀を肩に担いだ
雅吉「なぁに、こんな連中
刀ぁ抜かなくったって、鞘で小突いてやりゃあ、大人しくなるさ(笑)」
「何を〜…!!
我らを見くびるのも大概に致せっ雅之進ッ!!
ええぃ、構わん、みんな纏めて斬りすてよッ!!!」
「待たれよ!!」
正に、お侍たちが大挙してあたしらに襲い掛かろうとした時
懐かしくも凛々しい声が屋敷に響き渡った
「そこまでだ……もう、無駄な争い事はお終いになされよ」
にの江「潤之助さん…!!///」
潤之助「お久しゅう御座います、にの江殿」
潤之助さんは涼やかに微笑むと、スッと身を屈めた
潤之助「皆の者、頭が高いぞ
…若様の御前で御座る」
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