第3章 養子騒動編
.
お智「そうでしたの……もしかして、松本が帰らないのは、兄上を探しているからなのですか?」
家臣「はい、仰る通りで御座います
松本殿は真面目で責任感が人一倍強いお方故、1人で若様を探す旅に出られて…
…しかし、その松本殿も、ひと月程前に
“国中は探し尽くしたが見つからなかったので、海を渡って異国へ探しに参る”
との知らせを寄越したのを最後に、連絡が途絶えてしまったのです」
お智「まあ!…なんてコト…!!////」
家臣「…時に、此処からが、智子姫様をお待たせしてしまった事情なのですが
我らとしては、松本殿の捜索を待つのももう限界かと…
そもそも、一年も経って若様がご無事で居られるとは到底思えませぬ
これはきっと、悪さばかりを繰り返して来た若様に、天罰が下ったのに違いない
かくなる上は、新たな跡継ぎを立てねばならぬと言うコトになり申して…」
お智「新たな、跡継ぎ…」
家臣「…智子姫様の御子は、大変利発でいらっしゃって、将来有望なのだとか」
お智「!!!……まさか……」
家臣「先刻、智子姫様の御子をお屋敷にお連れするのをしくじったとの知らせが御座いましてなぁ
申し訳御座いませぬが、智子姫様には、御子を頂く為の、人質になって頂きます」
お智「な、何を馬鹿な事を申しているのですっ!!///」
家臣「全てお国の為で御座います」
お智「そんなものっ…!!////」
家臣「…くれぐれも、智子姫様を奥座敷からお出しするでないぞ。」
家来「はっ!!」
お智「お待ちなさいっ!!恋太郎は何処にもやりはしませんっ!!私を帰してっ!!…帰してっ…!!!////」
なんと、大変なコトになりました
潤之助の安否も心配される所ですが、屋敷に捕らわれてしまったお智ちゃん
一体、どうなってしまうのでしょう…
.