第204章 ゆうた
目的地の赤ちゃんぽんぽんに到着すると
私は大きなカートを押しながら店内を見て周ります。
(時子さんから頂いた高級な新生児用の肌着は
守の時からずっと使っているけど、
まだまだ使えるし…
冬に向けて少し暖かい生地のロンパースが
必要なのよね。
あとお布団と……)
哺乳瓶売り場で足を止める私。
(ちづるも守もおっぱいで育ったのに、
ゆうただけミルクは可哀想…
腹貸し家の特殊能力で出産しなくても
母乳が出るとかないのかな?)
私は無意識に胸に手を当てます。
玉木
「どうかされましたか?」
「あっ…いえ……
哺乳瓶とミルクも必要ですよね。
でも…もしかしたら私…
お乳が出るかもしれないから
購入するか迷っているんです。
腹貸し家は時に不思議な事を起こせますから…」
到底あり得ない話を
玉木さんに話してしまいました。
玉木
「確証があっても無くとも
梅乃はゆうた様のお母様ではないのですから
そこまで心配なされなくとも
ミルクを購入されれば十分ですよ。」
(それは分かってる。
ミルクは栄養が考えられていて
もしかしたら私のおっぱい以上の
ものだから…
でもお兄ちゃんたちのように
おっぱいで育てたい…)
使用人として当たり前な事を言っただけの
玉木さんの言葉に心を痛めてしまう私。
"お母様ではない…"
けっこうこれはショックです。
見た目が違うのと元の私はとっくに
亡くなっているとすれば
玉木さんの発言は普通ですけど…
「そうですね(๑•ᴗ•๑)
少し…考え過ぎてしまいました。
でわ次は、オムツですね。
新生児用の神オムツは幾つあっても足りないので
箱買いしてしまいましょう。
それからベッドメリーの乾電池も無くなってしまって
いるので買い足しましょうか。」