第190章 証拠なき家庭内裁判
それからどれくらいたったのでしょう…
月が真上にあがったころ
"ガタガタガタッ"
「…んっ………」
私が隠れているお堂の扉が開きました。
(誰…もしかして悟さん?💧)
とうとう見つかってしまったと覚悟を
した時でした。
「やっと見つけたぜ。
祠っつっても似たようなもんが沢山あって
見つけるのに骨が折れた。
さあ、外に出て来い。少し話そう。」
「東堂さん…」
祠の扉を開けたのは東堂さんでした。
"パスッ"
東堂さんが差し出してくださった大きな手を
私は掴み…
恐る恐る…お堂の外へ出ました。
東堂
「おっ、やっと全体像が露わになったな。
やっぱ嫁は綺麗なもんだ。」
東堂さんは目を腫らした私に気を遣ってくれているのか
普段より声色が優しく感じます。
「あの東堂さん…
私が至らないばかりに
東堂さんから授けてもらった命を
危険にさらしてしまい申し訳ありません。」