第167章 表裏白憎
"ガチャガチャガチャ"
守の机にくると
私は狂ったように"アレ"をさがします。
透明で
ベタベタしてて…
一度使ったら忘れられない
用途多数の昔からあるアイツ…
「あっ!あったわ!!」
四角い収納ボックスの中にありました。
でもあったからと言って安心できないのが
アイツの悪いところ…
たまにそれは人を地の底まで突き落とすような
絶望を与えるのだから。
"ゴクンッ"
私は生唾を飲み込み…
それの内側を覗き込みます。
「!!」
(あったわ!!あった!!)
それは私を失望させませんでした。
しっかり残っていてくれたのです。
「守、大切に使ってくれてありがとう!」
私は息子に感謝しながらそれを胸に抱き
感謝をすると…
「さあ!繋げるわよ!!」
目の前に置いている簪に向かって…