第163章 離してくれない
(いけない!
今はそんな事を考えている場合じゃない!)
私は気を引き締めると、
ちづる様を胸に抱き更に家の中に入ります。
すると…
ソファーの上に着衣が乱れたさんと、
そんなさんの身体にブランケットを
かけて差し上げようとしている
乙骨様がいらっしゃいました。
玉木
「乙骨様!これは!!」
乙骨
「さんが起きてしまいます。
声は小さめにしてください…」
玉木
「そ、そうですね。すみません…」
そのとき私は
乙骨さんの横顔に
悟さんの何かを感じたのです。
乙骨
「あの男達に事情を聞いておきました。
どうやら前から"強盗目的"で
この家を狙っていたそうですが、
さんの評判も聞きつけ
男手が希薄になる
昼間を狙って押し入ったそうです。」
玉木
「そうでしたか…
使用人を減らした直後だったので
こちらの不手際ですね…」
乙骨
「こちらの不手際?
今回は危ないところで
助けられたから良かったものの、
さんに何かあったらどうするんですか。
……メンバーの1人が以前この家の改装に
携わった職人の1人だそうです。
その男は、
メンバーの頭の男が恐怖で協力したそうですが…
改装業者も"審査"する必要が
あったんじゃないんですか?
使用人なら……しっかりして下さい。」
玉木
「………」
乙骨さんの言う通りです。
気の緩みが無かったといえば嘘になりますし
生活に関わる事で家に出入りする者を
審査する事もありませんでした。