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五 条 の タ ネ .

第156章 さよなら





すみれ
「そうですよ!本当に羨ましい……

奥様が……」








五条悟
「?」








居間に足を踏み入れたところで

女の表情が曇った。








五条悟
「みちるの布団は?」








すみれ
「あっ…そこにあります。」









五条悟
「これ?本気で言ってる?」








ベビー布団とは程遠い

カビ臭そうな使い古しの布団だった。









すみれ
「恥ずかしいですが、

布団にお金をかけられるほど余裕がなくて……」









五条悟
「これでアンタも寝るの?」









すみれ
「ひと組しか無いので

そうなってしまいますね…

恥ずかしいです…ごめんなさい。」









(そうか…

みちるだけがこの布団を使うと知れば

手を貸すつもりだったが

母親と一緒なら問題ない…というか

このままの方が良いね。)








みちるを引き取ったという事は

生活用品も何もかも自分の手で

足で頭でどうにかしなくてはいけない。

その場凌ぎの優しさは女の為にはならない。







"スッ…"







胸に抱いていたみちるを

その布団にゆっくり寝かせた。

このタイミングで最後を覚悟し

頬を軽く撫でる。








(こうみるとみちるはウチ系じゃないね?

当たり前だけど…女に似てるな。)







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