第119章 時子始動。
五条悟
「………」
痛がる私にも構わずに、
寝室に連れられてきました。
「……」
五条悟
「ちゃんと守と僕が使っていた
寝室だよ。部屋を隈なく見てごらん。」
「はぃ…」
もう怖いだけで見る気力も
真剣に思い出そうとする気持ちも
失ってしまった私は...
言われるがまま、まるで美術館を回るような
気分で寝室の中を歩き始めました。
(古めかしい鏡台ね...)
まず見たのはアンティークな鏡台でした。
五条悟
「その鏡台、60年ものらしいよ。
古いから棄てようって提案したんだけどね、
ちゃんは"素敵"だっていって
手放さなかったんだよ。
ちなみにそこにあるリップスティックは僕の趣味。
ちゃんによく似合う色だよ。」
「このリップスティックは私が購入したですね。
ショネルの春の限定色で、
お誕生日プレゼントで亜緒さんに
買ってもらったものです(;´д`)
あなた…じゃない。
何故わたしのものが此処に……」
五条悟
「違うよ、それは僕がの誕生日に買ったの。
そうじゃなきゃ、この家にあるのが疑問だろ?」
「………」
(確かにそうかもしれない...
でもそれだけじゃ...)
「あっ...あの......」
五条悟
「ん?なに?」
五条さんの顔色を伺いながら
次に見たいところの許可を取ります。
「箪笥…箪笥の中を見て良いですか?」
五条悟
「いいよ。」
「ありがとうございます…」
"カタッ"
私は箪笥の一番上の段の引き出しを開けました。
「(´・ω・`)」