第119章 時子始動。
1枚は、
海辺で撮ったであろう写真で...
守くんと私...そして五条さんが映っていました。
私が守くんを抱っこしていて、
五条さんがそんな私を背後から抱きしめている
そんな感じです。
「わたし…凄く幸せそう……」
2枚目は...
おくるみに包まれた守くんを
愛おしそうに抱いている私でした。
「………」
(守くんなんだか私に似ているわ…
知らないなんて…言い訳できないくらい…)
まったく思い出せない記憶に、
記憶がない写真…
自分に起きている事が理解できない。
でも…あの初老の女性にビンタされた頬が
私にしっかりしなさいと言ってくれているようで
このままではいけないと思い始めました。
「守くん…ずっと泣いているのよね。
可哀想……できる事をしてみなくちゃ。」
とりあえず私は、
母子手帳の中に写真を入れ直し
亜緒さんが眠る寝室に戻りました。