第93章 実家
「お久しぶり...Σ(・□・;)!!」
玄関につくなり圧倒的な光景が
私を待ち構えていました。
(えっ...)
杖をつき腰が90度に曲がった老婆4人が
横並びで整列し私を睨み...
その後ろには見知った叔母さん達...
そして...同い年の留果くんが立っていました。
老婆A
「なんだい!!!
正月の挨拶も知らない"産み殻"だね!!」
出ました...産み殻...
「す、すみません。
お久しぶりでしたので...つい...( ;´Д`)」
老婆B
「おや、艶子が居ないじゃないか!!」
艶子とは私の母の名前です。
「母は奥で風邪で寝込んでおりまして、
私が代理でご接待を...」
老婆C
「仕方ない嫁だね!!
馬鹿は風邪をひかぬと言うが
違ったのかねー。
昔からの言い伝えってやつは
当てになんないねーー!」
齢80以上だと言うのに、
本当に減らない口です。
同じ腹貸し家としてまったく尊敬する
ところが見当たりませんが...
実のところ、祖母以外の姉妹は呪術師の子を
産んだことがないとの事です。
"この業界"は誰でも良いという事ではないことは
きっと昔も今も変わらないのでしょう。
意外に思われますが、
やはり呪術師の方とのコミュニケーションが
大切になるということです。
「あははっ...えと...
玄関はお寒いので客間の方へどうぞ。
守も父もそこで待っておりますので。」
老婆D
「いったい何様かねぇー。
産めもしない分際が偉そうに
私らを待つなんてねー!!」
(酷い言いよう...
早くお帰りになって欲しいわ...)
叔母さん
「ちゃん、
煩くてごめんなさいね。お邪魔するわね💦」
「いぇ(^_^;)」
私も手伝って、
老婆4人を客間にご案内致します。