第3章 距離2
「結局こうなんのか…」
あれから少々の押し問答の末、けれど与えられた護衛という仕事を放棄するなんて選択肢はなく、扉の前で待たされている。全く不愉快である。このドア薄いから申し訳ないがもう少し喘ぎ声を抑えてもらわないと、色々駄々洩れなんだけど。女の子的にはいいのかな。
そうして数十分、ひたすら無になって立っていれば、ようやく終えたらしい五条と…彼女が部屋から出てきた。五条はおれを一瞥すると、鼻で笑って聞いてきた。
「まさか勃ったりしてねぇよな?」
あんまりにもムカついたので脛を蹴ろうとして無下限に阻まれた。それにもまたムカついたので、死ねよと心の中で中指を立てておいた。