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やさしい雨の唄(仮)

第2章 距離1



 任務地につくと、車から降ろされた。前を歩く五条について歩く。降ろされたのは林だった。夜の林、やべーな。繁華街とは違ったやばさがある。
 へー、とこれまたきょろきょろしながら歩いていれば、突然止まった五条の背中ーーーというより無限?に当たった。

「ぶっ、急に止まるなよ」
「はーっ、あのなぁ」
「………」

 五条は盛大にため息を吐いて、苛々した様子でこちらを見る。

「お前まじでうるさいよ。次余計な事しゃべったら帰れ」

 これはまじのやつだ。おれは大人しくしておいた。

 今回の任務は…強い呪霊の封印が解けそうなもんなので、それを封印しなおすらしい。なんでも強い呪霊の一部には、力を得ようと辺りから呪霊が集まってくるとか。資料なんてものを渡されても読めない漢字が半分以上なのでちんぷんかんぷんだ。

 林の中を進んでいくと、空気が変わった。重くて、肌にねっとり纏わりつくようだ。鍛錬の中で呪霊の中に放り込まれることもあったが、それとは全く格が違うのが分かる。
 腕には鳥肌が立ち、思わず手でさすった。


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