第6章 スケルトンクリーパー?
「もしかして、ぼんもクリーパーが見えないの?」
「見え……え?」
スケルタの発言はどんどん迷宮入りするばかり。何を言いたいか分からないでいると、スケルタは怪我をしているとは思えないくらい機敏に走り出し、向こうを指さした。
「ほら、ぼんはあそこにいるクリーパーが見える?」
俺は穴の空いた地面をよじ登ってスケルタの指す方向を見やる。そこには確かにクリーパーがいるが、マズイマズイ、こっちに向かってやって来た!
「うわ、クリーパーが来る!」
「大丈夫大丈夫!」
しかしスケルタは余裕綽々といった様子で左手の弓を構えて矢を放つ。クリーパーに見事命中した矢は一撃で討伐。某ゲームに沿って、クリーパーの頭がドロップした。
「ほら、僕が撃つとかわいいの落とすんだよね〜」
「クリーパーの頭だね、それ」
「クリーパーの頭?」
「そ、こうやって被れるのよ」
と俺がクリーパーの頭を被って見せるとスケルタはきゃっきゃと笑った。へぇ、面白い! 僕も被りたいと俺の体に抱きついてきたものだから驚いた。ちょっとやめなさい。アナタ女の子でしょ。
「女の子だとぼんにギューってしたらだめなの?」
「だめなのよ」
「え〜、なんで〜?」
「まぁまぁまぁまぁまぁ……これ返すから」
「わぁい」
なんて答えたらいいかも分からないままクリーパーの頭を返すと、スケルタは無邪気そうにそれを被った。それから両手を広げて近くを走り回る。
体つきはなかなかいい感じなのだが、いって十八、十九歳くらいだろうか。言動は六歳並のようだが、果たしてMOBの年齢が人間と同じとは思えない。
少なくとも成人していなさそうな彼女に、手を出すことは決してやってはいけない。いやいや、手出す気なんて全くないんだが。ないはずなんだが。
それより、色々と整理したいことがある。俺は気持ちを切り替えてスケルタに質問をしてみた。
「スケルタはスケルトンなんだよね?」
「そうだけど?」
「じゃあなんで爆発出来たのよ?」
「それはね、ママがクリーパーだったから」
「ん……?」
話はさらにややこしくなりそうだ。