第28章 いつか面白い男がいたと笑えるために
「ほんと、もう自爆しないでよ?」
俺たちは、エンドからの出口そばに座り込んで雑談をしていた。
「うん、しないよ!」スケルタはにっこりと頷いた。「自爆は、あんまり使わないんだ。だけどぼんを助けたいと思ったから!」
「ああ、そうだったのね」俺はスケルタの頭をぽんぽんと撫でた。「……ありがとう、スケルタ」
スケルタは嬉しそうに明るく笑った。この声を聞くのもこれが最後だなと思うとやっぱり寂しいと思えた。こんなに俺に懐いてくれた女の子、後にも先にもいないかもなぁなんて心の中でボヤきながら。
スケルタの隣には、カラカラと音を鳴らして座っているブレスレットスケルトンがいた。あの爆発の衝撃でブレスレットはかなり形が歪んでいたが、仕切りにスケルタを気にしていることから、こいつは彼女に惚れているんだと俺は気がついた。
「じゃあ、そろそろ行くね」
俺は立ち上がった。途端に、無邪気に笑っていたスケルタの顔から影が差し込む。それからゆっくりと立ちながら、ぽつりと問いかけた。
「帰っちゃうの?」
俯きながら、俺の袖を掴んだスケルタ。その横で、ブレスレットスケルトンがどうしたらいいか分からずに立ち尽くしている。
俺はそっと、スケルタの手に自分の手を重ねた。温もりが悲しかった。