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🍆だけが襲われる世界で

第26章 いざ、エンドラ戦へ(後編)


 しかし、そんなことに見とれている場合ではない。俺は出来るだけみんなを巻き込まないように走り回った。こんなに走るなんていつぶりだろうか。足がもつれて転びそうだ。
「グゥオオオオ……!」
 エンドラが地上に下りてきてあちこちにブレスを吐き出した。その間にスケルタとブレスレットスケルトンが弓矢でダメージを与えている。ゲーム内ならエンドラの体力も視覚化されているが、今はそれは見えない。あとどれくらいダメージを与えたらいいのだろうか。俺は終わりのない逃走に疲れ、黒曜石の柱の裏で足を止めた。
「ぼん、大丈夫……?!」
 バテている俺にスケルタが一早く気がついた。俺は目を上げ、来るんじゃないと言うが聞かずに駆けつけようとしたところ、隣にいたブレスレットスケルトンが手首を掴んで引き止めてくれた。ブレスレットスケルトンは、空気が読めるらしい。
 その隙にと言わんばかりにまたエンドラが突っ込んで来たので俺はまた走り出した。スケルタたちは遠距離攻撃が出来るのでその間にダメージを与え続けてくれているが、俺の体力の限界も近い。明らかにベットの攻撃より痛いのは分かるんだけど、人間ってそんなに長く走れないのよ。俺はもっと走れないから!
「早く早く!」
 俺は叫びながらエンドラを見上げ、スケルタたちを見やった。スケルタの弓矢はなかなか強いが、体力の高いエンドラを一撃という訳にはいかなそうだ。その内に、ブレスレットスケルトンが石を積み上げ、高いところから攻撃を始めた。ブレスレットスケルトンは結構賢いMOBなのかもしれない。
 だが、そこはエンドラの攻撃に巻き込まれやすい場所でもあった。
「グゥオオオオ!!」
 俺を狙いながら急降下してきたエンドラ。俺が逃げた先は、丁度エンドラの攻撃範囲内に入ってしまうブレスレットスケルトンがいるところだったのだ。
「危ない!」
 スケルタは必死に弓矢を放つが間に合う気配がない。俺は思わず目を閉じてしまい、両腕で顔を覆ってしまった。あとはその痛みを覚悟して待つだけ、と思ったのだが。
 ドォオオオオオオン……!
 今まで聞いたことのないような爆発音が広がり、俺は爆風で地面を転がった……。
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