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🍆だけが襲われる世界で

第24章 いざ、エンドラ戦へ(前編)


 エンドラの急襲。俺はまた走り出し、巻き込まないようにスケルタから離れるしかなかった。スケルタに果たして意味が通じたかは分からないが、確認する余裕はない。そういえば、スケルタに水バケツのことを教えていなかったんじゃなかったか。
「うわぁ、やめてよ〜、エンダーマン〜っ」
 ようやくエンドラとの距離を離して振り向けば、なぜなのかスケルタはエンダーマンに追いかけられていた。見れば鉄格子に囲われているエンドクリスタルは、壊されていない。
 俺はすぐに作業台を置いてボートをクラフトし、エンドラがまだ上空を飛び回っているのを見てからスケルタの方に駆け寄った。
「ほら、スケルタこっちこっち!」
「うん!」
 スケルタは素直にこっちに走ってきた。俺は目の前にボートを置き、スケルタはボートを飛び越えて俺に飛びついてきた。
「んなっ、スケルタ……?!」
 その方が確実にエンダーマンをボートに捕まえやすいだろうが、スケルタがそのことを知ってた上でやったとは思えない。俺は急いでスケルタを自分の体から引き剥がした。
「ちょっと考えなさいよ、自分の年齢のこととか!」
「えっ、ねんれー?」
 しまった。つい口走ってしまった。俺はなんとか言い繕うとしたが、目の前の好奇心の塊であるスケルタからは、逃げられる気がしなかった。
「ぼん、それってどういう意味なの?」
「あー、えっとぉ……その、そういうのはね? 大人になってから好きな人にやるものと言いたかっただけで……」
「僕、大人だよ?」
「……え?」
 俺はスケルタを見やった。エンドラは空気を読んだのか地上に下りてこないし、ここから逃げる方法がない。
「スケルトンの成人の儀式はやったんだよ〜♪」
「えぇ……」
 身構えていた俺はもしや年端もいかぬ女の子に人工呼吸をしてしまったのかと悩んでいたのだが。いやいや、だからといって飛びつくのはいけない。
「でも、飛びつくのはやめなよ?」
「なんで〜! 僕、ぼんのこと好きだもん〜」
「はいはい、まずはクリスタル壊すよ」
 どうせそういう意味じゃないでしょう。そうだと思って俺は鉄格子に囲まれているエンドクリスタルを見上げてはっと息を飲んだ。
 ……誰かいる?
 黒曜石のそばで、丸石を積み上げている誰かが俺の視界に映ったのだ。
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