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🍆だけが襲われる世界で

第21章 戦闘前の静けさ


 ポータル部屋は、先程スケルタが自爆した時に壁が崩れ、むき出しになっていた。
 せっかくならと、俺はスケルタにエンダーアイを渡してエンドポータルフレームに嵌めるように言ってみる。スケルタは嬉々としてエンダーアイを受け取ってくれた。よく聞いたコツコツという独特な音が部屋中に響き……最後の一つを嵌め終えた直後、ゴーンと音が轟き、宇宙色のゲートが開いた。
「わっ」
 スケルタは音にびっくりして俺に抱きついてきた。すぐにはごめんなさいと離れたが、これは仕方ないだろうと笑って許すと、スケルタも笑顔を返してくれた。
「それじゃあ行こうか」
「う、うん……」
「なんか忘れ物ある?」
「あ、ベット持ってく?」
「いやいや、それは置いたままにしてよ」
「はーい」
 それでも、スケルタから不安の顔が消えなかった。俺は、このままエンドに入るのはよくない気がした。俺はおもむろにベットに腰を下ろし、スケルタも座りなさいと向かいのベットに座ってもらう。
「な、何……? ぼん……」
 やはり、スケルタの顔は引きつっている。俺は出来るだけ優しい顔をするように努めながら、そっと聞いてみた。
「エンドに行くのが怖い?」
 この言葉に、俯きがちだったスケルタの頭がぴくりと揺れる。それから激しく首を振り、違うのとこう続けた。
「エンド行ってドラゴン倒したら……ぼんと、もう会えなくなる気がして」
 ああ、そっちか。どうやらスケルタは、勘がいいらしい。
 俺は言おうかどうしようか姿勢を崩し、しばらく考えてから、意を決した。
「実はね……俺もそう思ってるのよ」
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