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🍆だけが襲われる世界で

第16章 長い道のり


 立ち上がる余裕もないままベットが押し寄せ、左右から挟み込まれた。身をよじって抜け出そうとするがまた一つ、また一つとベットがやって来て押し潰されそうになった。苦しくて息が出来なくなりそうだ。こんな襲撃、企画にはなかっただろ!
 ベットを壊そうにも当然のように当たり判定はない。無理だと思った。息が出来なくなる。肺が潰れそうなのか咳き込んだ。無理無理、死ぬから!
 意識が朦朧とし、視界が真っ黒になった瞬間、突然苦しさから解放された。
「……あれ?」
 俺は恐る恐る周りを見てみる。そこら中にカラフルなベットが置きまくっていた。
 時間経過で無力化するのだろうか?
 よく分からないが、とりあえず助かったのなら戻ろう。歩き始めて数瞬、ここはどこだと辺りを見回した。
「え、ここどこよ……?」
 そんな時、カラカラと音を立てて何かが近づいてきた。スケルタではないなと目を上げると、いつかに情報収集した時に出会ったスケルトンがいた。そのスケルトンは珍しく、首から金のネックレスをぶら下げているのだ。
「えーっと……?」
 こちらを攻撃してくる気配がないので俺が首を傾げると、ネックレススケルトンが片手を横に振り、それからおいでと手招きをした。
「あ、要塞の場所分かる?」
 俺が訊くと、ネックレススケルトンはこくりと頷いた気がした。
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