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🍆だけが襲われる世界で

第16章 長い道のり


 そして、すぐにブレイズスポナーを見つけ安堵した俺は、すっかり忘れていたのだ。この世界のことを……。
「あ、ぼん、向こうからなんか来る!」
「え?」
「ほら、あっちあっち!」
 ふっと外を見やったスケルタが何かを指さして叫んだ。なんだろうと見やった先に、大量のベットがやって来ていて……?!
「うわぁああ?!」
 そうだった。ここはなんでも引き寄せられて俺だけが襲われる世界だった! 俺がベットとは真反対の方向へ走ると、どうしたのとスケルタが追いかけて来た。
「スケルタ、この間にブレイズロッド取ってきて!」
「ブレイズロッドを?」
「そうそう、ブレイズ倒してね!」
「分かった!」
 俺たちの会話はそれを最後に、二手に分かれた。
 スケルタに果たしてブレイズについて分かっているのかは確認のしようもないが、とにかく俺はベットから逃げることに集中した。
 俺が覚えている限り、ベットが引き寄せられるだけなら無害なのだが、俺だけが襲われる世界なら話が違ってくる。こんなところでベットで寝てしまえばゲームの仕様上爆破するか、半永眠状態になってしまうかだ。
 どれなのか分からない以上、とにかく逃げるしかないと思ったのだが、もしかしてスケルタから離れるのはマズかっただろうかという気もしてくる。俺が半永眠状態になったら、誰が助けてくれるのよ!
 そんな思考より早く、ベットの集団はどんどんと近づいてきた。やめてと叫んでも話が通じるような相手ではない。俺は一旦ネザー要塞を出て走り続けたが、ベットとの距離は離れるどころか迫ってきている。叫びながらがむしゃらに走っていると、馬鹿なことに俺は転んでしまった。
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