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🍆だけが襲われる世界で

第16章 長い道のり


 しかし、ここからが長かった。
 散々歩いてもネザー要塞は見つからず、それどころか廃要塞ばかりに遭遇する。スケルタに頼んで近くのスケルトンたちから情報収集するも、そもそもネザーのMOBたちは廃要塞とネザー要塞が別であると考えていないみたいで、確かな情報が得られない。
 そうこうしている内にかなりの距離を歩いたが、スケルタが道中様々なものを珍しがってずっと喋っているから楽しかった。あれは何? これキラキラしてる! といったふうに。
 さすがに暑そうだから俺の上着脱いだらとも言ってみたのだが、スケルタは意外にも頑固で嫌だと言い張った。何がそんなに気に入ったのだろうか。
 そうして延々と同じような景色ばかりが続き、この世界にネザー要塞はないのではと思えてきた時に、やっと変化が訪れた。
「ぼん、これ何?」
「え?」
「ここだけ変な床!」
「あー!」
 ネザー要塞は周辺の地形に飲まれるように生成されていたのだ。こんなの絶対見つからないって!
「ここよ、ここ! ネザー要塞!」
「そうなんだ!」
 俺の喜びが伝わったのか、スケルタの顔もぱっと明るくなる。それからすぐに走り出し、こっちを振り向いて早く早くと俺を呼んだ。
「ブレイズ倒そ!」
「元気ねぇ、アナタ」
 あんなに歩いたというのに、スケルタの足取りは軽やかだ。
 こんなに苦労したんだから、ブレイズスポナーは絶対あるよね? と俺は半分不安になりながらネザー要塞を探索する。時々ウィザースケルトンが湧いて現れたが、スケルタがすぐに助太刀してくれて大したことはなかった。
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