第15章 腹ごしらえ
俺は生焼け肉を拾って焚き火に放る。有難いことにこの世界は地面に置いたものが砂利や砂だらけになることはないのだが、それでも食べていいのかと疑いながら焼くと、スケルタは興味深そうに肉を眺める。
「こうやって焼くのよ」
「へぇ……!」
「で、色が変わったら裏返す」
「わぁ、すごいすごい!」
これくらい人間なら誰でも出来るだろうが、スケルタはスケルトンであったことを思い出して頷く程度に留める。今度はスケルタが見様見真似で肉を焼き、今度は上手にステーキが出来上がった。
「ね、すごい?」
「ああ、すごいすごい」
「えへへ!」
スケルタは嬉しそうに笑った。俺はほぼ無意識にスケルタの頭を撫でようとして手を止める。その行動にスケルタはきょとんとするので、俺はゆっくりと訊ねた。
「……頭撫でていい?」
「うん!」
俺の問いかけにスケルタはワクワクした様子で頭をこちらに傾ける。こう改めて言ってみるとこっちが恥ずかしくなる思いだったが、せめてものお礼を示すためだとスケルタの白い髪を撫でてやった。
スケルタはくすくす笑って少しくすぐったいような顔をした。
「それじゃあ行こうか」
「うん!」
腹ごしらえも済ませ、今度はブレイズロッドを探しに行こうと提案すると、スケルタの質問がまた飛んできた。それはどこにあるのかとか、ブレイズロッドをどうするのかとか。
俺は、ネザー要塞にいるブレイズというMOBを倒すことを伝えると、スケルタは俄然やる気を出して目付きを変えた。そうして、俺たちは再びネザーへと舞い戻ったのだ。