第11章 要塞探しで
「足元気をつけてね」
「う、うん!」
俺は少し緊張気味なスケルタを連れて、ネザーゲートから少しずつ足を出した。
目眩がするような紫の膜の中で数秒居続け、真っ先に出迎えたのは溶岩溜まりのそばとは比べ物にならないくらいの熱気だった。
ようやく足が黒曜石とは違う硬さの地面を踏み、恐る恐る周りを見回してみると真っ赤な世界。他は影よりも深い黒色しか見えなかった。
想像通りの世界に俺は思わず息を飲んで隣のスケルタを見てみると、そこには自分と真反対の女の子がいた。
「すっごい! ここがネザーなんだ!」
「楽しそうね、スケルタは」
「うん、楽しい! ぼんと一緒だから!」
「そ、そうなんだ……?」
この女の子は俺を泣かせに来ているのか。俺がいなくったってスケルタはこの世界を充分に楽しんでいそうなのだが。スケルトンとクリーパーのハーフってだけでイジメを受けていたという言葉の端々から汲み取る限り、スケルタにはスケルタなりの苦労があったのかもしれないと俺は思った。