第10章 ネザーゲート
その後、俺たちは先程の溶岩溜まりの場所に戻ることが出来ず、新たな溶岩溜まりを見つけてようやくネザーゲートを完成させた。俺のズボンもおおよそ乾いていたが、ネザーの世界はどれ程暑い場所なのか全く検討がつかない。
「どうしたの、ぼん?」
俺がネザーゲートの前でぼっ立ちしていたからか、スケルタがこちらの顔を覗き込んだ。ここで怯えてるのがバレたら漢らしくないと、俺は覚悟を決めてネザーゲートに火を点けた。ネザーゲートに紫の膜のようなものが現れたのを見て、スケルタはすぐに声を上げた。
「わぁ、こうなってるんだ!」
「ネザーには行ったことあるの?」
「ううん、友達は行ってたけど」とスケルタは話続ける。「僕、変なスケルトンだから、スケルトン試験は受けなかったんだ。試験にごーかくしたら、ネザーに行けるんだよ♪」
スケルトン試験なんて初めて聞いたが、スケルタにはスケルタの事情があるんだろう。俺はあまり気にしないことにして、スケルタに手を伸ばした。
「じゃあ初めてのネザーだな。行こうか」
「うん!」
スケルタの遠慮なく握ってきた手は温かく、本当に正体はスケルトンなのだろうかと疑ってしまう程だ。
俺はそんなスケルタの手を引いて、一緒にネザーゲートをくぐった。