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🍆だけが襲われる世界で

第7章 距離を考えなさい


「何してるのよ」
「あ、ぼん! 見て見て、これをやると面白いの!」
 それから木材や丸石をその場で積み上げたり横に繋げたりしてよく分からないオブジェを作り上げた。
「ねぇねぇ、どうかな、ぼん!」
 俺は思わず笑いながら、
「いいんじゃない」
 と答えれば、スケルタは楽しそうに笑った。スケルタは女の子というより、子どもみたいだ。ってことは俺が保護者ってこと?
「じゃあそろそろ行こうか」
 と言うと、どこに行くのかと聞きながらスケルタは俺の後ろについてきた。俺と一緒にいると大変なことに巻き込まれるだろうが、今更どっか行けとは言い難い。
「今からマグマ溜まりを探すのよ」
「マグマ溜まり?」
「そっ。ネザーゲートを作るからね」
 そう言い終えた直後、何かの気配を感じて足を止める。どうしたのとスケルタが聞くか早いか、大量の矢がこちらに向かって飛んでくるのが見え、俺は一瞬声を飲んだ。
「……っ!」
「なぁに、ぼん?」
「あ、あれが……」
「えっ」
 スケルタも俺の視線に気づいて大量の矢に気がついたみたいだ。俺はごめんと叫んで走り出す。先程の村からはだいぶ離れたし、引き返してまた建物に逃げ込むということは難しそうだ。
「うわぁぁぁあ!」
 俺はとにかく逃げた。スケルタはその後ろをついて走ってきたが、この状況のことはあまり分かっていないみたいだ。
「ぼん、待って待って!」
「無理無理! その矢なんとかして!」
「えっ、矢?!」
 俺はその声を最後に崖にうっかり足を滑らせて落ちた。ジャンプ力はゲームのような仕様にはなっていないみたいだ。
「ぼーん!」
 スケルタの声が頭上に聞こえた。
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