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*名探偵コナン*短編集*

第6章 *File.6*諸伏 景光*


「アンタのことは、教師としては認めてる。けど、アイツとのことに関しては認めねーから」
「それは困ったな。オレからは…そうだな。余計なお世話かもしれないけど、二つ忠告しておこうか」
「…二つ?」

言いたい放題言われた仕返し、ではないけど。
嫌な予感がしたのか、オレを睨む黒羽の眉間がギュッと寄った。

「幼馴染への過保護も程々に。それからもう一つ。本命はもう一人の幼馴染で、自分のことは全て分かってくれているから大丈夫。なんて余裕ぶって甘く見てると、何時か痛い目に遭うよ」
「……前々から思ってたけど、実はアンタの腹ん中は相当ドス黒いだろ?」
「年の功と言ってもらえるかな?」
「その発言こそが腹黒だろ!それも自覚があるとか尚更タチ悪ぃわ!」

オレも嫌われたものだな。
だがそれは、望月雪乃が絡んでいる時の話。
認めてはもらえないらしいが、邪魔はされないみたいだ。
とは言え、誰に邪魔立てされたとしても関係はない。
オレは好きに動かせてもらうよ。
教師と生徒。
この一番厄介で面倒な柵を超えない範囲で。
多分。
我を忘れて暴走しないように。
多分。

「何か妙なこと考えてねーだろうな?」
「心配は不要だ」

多分。

「もう二度と雪乃を泣かせるな」
「ああ」

それは約束する。

何時の日かまた、直ぐ傍で無邪気に笑う望月を見ることが出来るのだろうか?
例えそれが今まで通りに、教師と生徒の立場であったとしても…。


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