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*名探偵コナン*短編集*

第4章 *File.4*降谷 零*(R18)


「よかったな、だって」
「だからってハートマークは止めろ。アイツは何時からJKになったんだ?」
「ん?同じ文章?」
「ヒロからだろ?」
「うん」

料亭を出て車の助手席に乗り込むと、頬を赤くする。
同じ文章を俺にも送って来たと言うことは、俺に対してもそういう意味、なのか?

「松田のヤツ、アイツらにもう報告したのか」
「だと思うよ。あんな電話の切り方したから、みんなに愚痴ったんじゃないの?」
「しばらくは煩そうだ」
「直で会うのやめとこ」
「その前に、向こうから押し掛けて来るだろ」
「ハア」
「と言うことで、家には送らないぞ」
「えっ?」
「今からデートだ」
「で、デート、ですか?」
「リクエストは?」
「…水族館」
「了解」

伸ばした手のひらで髪をポンと撫でると、雪乃は恥じらいをのせた可愛い笑みを洩らした。



「な、何でお風呂?」
「気に入らない」
「…何、が?」

水族館に行く前にお互いラフな格好に着替えたが、自宅に帰宅するなりその洋服を脱がして、バスルームに押し込んだ。

「いきなりこれはなくない?」
「風呂だろうがベッドの上だろうが、同じことだろ」
「…じゃあ、原因は?」
「……」
「わっ!」

シャワーのコックを捻ると、雪乃は上からずぶ濡れ。
胸から下に巻いたタオルが白い素肌に張り付いて、ヤラしさが倍増する。
スタイルがいいのがよく分かり、眺めがいいのは、黙っておくことにした。

「…煙草」
「吸ったことない、けど?」

濡れた髪を軽く纏め、顔を左右に振る。

「そうじゃない。お前から匂うんだ、移り香がな」
「……陣平の?」
「ああ」
「なーんだ。ヤキモチかー」
「!」
「だったら…」
「……」

クスッと嬉しそうな笑みを見せた後には、真剣な眼差しを真っ直ぐに俺に向けて、こう続けた。

「ゼロの移り香が誰かに分かるぐらい、これからはずっと私の傍に居て」
「ああ。約束する」

流れるシャワーに濡れながら、首に絡まる細い腕を抱き締め返す。

「うん。約束ね」

額を合わせて笑みを交わすと唇を重ねせ、欲望のままに雪乃を抱いた。


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