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*名探偵コナン*短編集*

第4章 *File.4*降谷 零*(R18)


「…いや、こちらこそ」

誰が見ても惚れるでしょ?
私だって、例外じゃないわ。
今直ぐにスマホを取り出して、目の前のちょーハイスペイケメンの写真を撮りたい!

「これからの時間は、二人でごゆっくり。私は此処で退散するよ」
「逃げるんですか?」
「それは私ではなく、君の方では?」
「……」

こぉのクソオヤジがっ!

「では」

すました顔で、ホントにとっとと退散しやがった!

『……』

この沈黙が痛い。

「…久しぶり、だな」
「そう、ですね」
「畏まらなくていい。今はプライベートだろ」
「では、そのように」
「ああ」

テーブル越しに座れと、ゼスチャーされたからおずおずと高そうなフカフカの座布団の上に座る。

「何してんの?せっかくの非番に、こんなトコに連れて来られて」
「お互い様だ。断れるワケがないだろ」

言葉を発した最後には、深ーいため息。
互いに緊張を解くと、今は仕事仲間ではなく親友としての立場に戻る。

「どんだけ強引なのよ」
「今に始まったことじゃないのは、確かだな」
「まあねー」

私も公安の一員だ。
立場的には風見と同じ。
最近の彼は、仕事の内容からしても風見とバディを組むことが多かった。
勿論その間、私は別件で公安として仕事をしている。

「でもよかった」
「何が?」
「お見合いの相手がゼロで」
「…何故?」
「相手は見知らぬ赤の他人だと思ってたから。でもこれで、私の嫁ぎ先はもう決まったも同然かなー」
「どういう意味だ?」
「陣平がね、もらってくれるんだって」
「…お前を、嫁に?」
「お互い、もういい歳だからねー」
「…それは本当の話か?」
「うん。だってついさっき、そう言われたって、ゼロ?」

急に立ち上がるなり傍に来て、ポンと軽く押されて畳の上に押し付けられた。
着物の帯で背中が反って痛い、んですが?

「……従兄だろ」
「…そう、だけど」

ってかね?
こ、この体勢はな、に?
手首をきつく握り締められたまま押し倒されて。
私の上に跨って俯いたゼロの表情は、よく見えない。
貴方もご存知の通り、法律上では従兄妹同士は結婚出来ますよ?

「アイツには、やらない」
「??」

感情を抑えた低い声。
何、を?

「絶対に、だ」
「ぜ、んッ」

えっ?
わ、私、ゼロに…。
き、キスされて、る?
何で??
ウソ、でしょ?


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