第3章 *File.3*黒羽快斗*(R18)
「雪乃の初めて、俺がもらっていいか?」
「……ずっと、願ってたの」
「…何を?」
「初めては……快斗がいいって」
大きな瞳を見開いた後、クスッと笑みを洩らす。
「俺の初めてもオメーのモンだ、雪乃」
「ありがと」
「ここまで来たら、もう途中で止めらんねーから」
「…何で?」
「どれだけ我慢して来たと思ってんだ」
夢の中で何回抱いたか、雪乃は知らねえだろうけど!
「わっ!ちょ、重いからっ」
「軽いっつうの。だから、じっとしとけ」
「…うん」
雪乃は少し躊躇ったように、俺の服をギュッと掴んだ。
「緊張し過ぎ」
「わ、私に言われても困る」
初めては俺も同じだし、気持ちは分かるけどよ。
緊張やら不安やら、もしかしたら期待、とかな?
「しかしま」
「うん?」
「想像以上に綺麗でビビった」
「何が?」
「オメーしかいねーだろ」
「…私?」
呑気に自分を指さして、これだけ言ってもまだ分かんねえのか?
「身体も心もキレーだからな」
「ん?」
「雪乃は」
「えっ?!」
「やっぱ可愛いわ」
「快斗だって…カッコよすぎだから」
「…それは、どうも」
「照れてるー」
思わず視線をそらせば、雪乃はふふっと笑う。
「ったく、雪乃の言動だけは予測不能で困る」
「…困る、の?」
「おぅ。すっげえ振り回されるからな」
俺の心が、な。
「私といる時は、冷静なフリしてただけ?」
「惚れたオンナの前で、ンなカッコ悪ぃこと出来っかよ」
「じゃあ、これからは全部見せて」
「ん?いいぜ?俺の裸をじっくり見ても」
「ち、違う!意味が違うから!」
ニヤリと笑って見せれば、赤い顔をしてワタワタと慌てる雪乃もまた可愛い。
「…今日から雪乃は俺のモンだ」
「快斗は、私のモノ?」
「おぅ。雪乃は一生誰にもやんねーよ」
「私も」
ふわりと嬉しそうに笑う雪乃の頬を、伸ばした手のひらで撫でると唇を重ねる。
「…っん」
この声だけで、ゾクリと身体が震えるのを自覚する。
やっぱ、堪んねえわ。
「……ん?ンーッ!!」
長く深いキスをしながら、力が抜けて行くのを見計らって、雪乃のナカに一気に自身を貫いた。