• テキストサイズ

*名探偵コナン*短編集*

第3章 *File.3*黒羽快斗*(R18)


「このままゆっくりしても、キツイかと思ってよ」
「…多分、それ当たり」
「後は…俺が我慢出来なかった。悪ぃな」

初めて見る、オンナとして感じ乱れる雪乃の姿に。
マジ破壊力半端ねーから、オトコとして俺も反応せずにはいられなかった。
年頃になれば興味も沸くし、一番最初がどんな感じなのか、嫌でも周囲から情報は耳に入るもんだ。
痛みから溢れる涙を、唇を寄せて拭う。
俺がオトコである限り、常に挿れる側のオトコの俺に、受け入れる側の雪乃の、オンナの初めての痛みは分かってやれない。
指でナカを慣らしたとは言っても、指とモノでは受け入れる質量が全く違う。

「ふふっ。オンナとしては、最高の褒め言葉じゃない?」
「バーカ。辛くねーか?」

ったく、恋愛経験豊富なオンナみたいなセリフ言うなっつーの!

「さすがにちょっと、ね…」
「痛えよな、悪ぃ」
「快斗が謝ることないの。私だって、望んでたんだから」
「…ンな嬉しいこと言われたら、おかしくなっちまうだろ」
「いいよ、おかしくなっても」
「…雪乃」
「何年好きだと思ってるの。今更離れてあげないんだから、覚悟しなよね」
「おう、望むところだ。ドンと来い」
「「ふっ」」

お互いに緊張が解れてから、ようやく身体を初めて重ね合わせ、幸せに満たされながら笑い合う。

「大好きよ、快斗」
「!!」
「やっと言えた」

何時もは幼い表情を見せることが多い雪乃が、オンナとしての表情を見せて微笑む。
少し躊躇ったように伸びて来た小さな手のひらが俺の頬をするりと撫でたから、全身がゾクリとアワ立つのを自覚した。
あまりにも綺麗で、愛情に満ち溢れていたから。
本人は何の自覚もないんだろうけど、この表情は他の誰にも見せはしない。
俺だけのモンだ。
雪乃の生涯、俺だけが見て、俺だけが知っていればいい。

「もし、俺から告らなかったら?」
「私からは絶対に言わなかったよ」
「俺が好きなのは、青子だと思ってたから?」
「他に何があるの」
「覚悟を決めてよかった」
「…もう、戻れないね」

三人がそれぞれ想いを胸に秘めていた、あの時間には。


/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp