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*名探偵コナン*短編集*

第3章 *File.3*黒羽快斗*(R18)


「卒業したら、留学すんのか?」
「しないー」
「はっ?それで迷ってたんじゃねえのかよ?」
「違うよ。何処の大学行くかで迷ってただけ」
「…いいのか?」
「また手続きとか住むトコとか、何か色々考えたら面倒臭くなった」
「……」

もう、何も言うまい。
ったく繊細なのか、大雑把なのか。

「そう考えたら、大学行ってもなーとか」
「おいおい。そっからかよ?」
「今んトコしたいことは特にないし、でも親はとりあえず大学は出ておけ。だし?」
「雪乃も一人っ子だからな、俺と同じで」
「まあね。それかいっそのこと、警察官!とか」
「……」
「ふふっ。冗談よ」
「バーカ」

青子は未だに疑っている状態だけど、雪乃には即バレた。
誤魔化しや言い訳は全く通じないぐらい、確信を持って告げられたんだ。
それは鮮やかなほどに、あっさりと。

『快斗じゃん』

一目見て視線が合うなり名前を呼んで、怪盗キッド姿の正体である俺を一瞬で見破った。

「カッコイイけどね」
「…刑事が?」
「うん。でもま、4年大学に行ってまた警察学校行って…って考えたら、やっぱりいいやってなる」
「軽いな」
「でしょ?」

って、呑気に笑ってる時期ではねえと思うけど?

「雪乃ちゃ、雪乃らしいけどよ」
「心配してくれて、ありがとね。快斗」
「幼馴染のヨシミってヤツ?」
「そうねー」
『幼馴染』

このワードを口に出しても、表情は変わらない。
直ぐ隣を歩く俺を見上げる、その眼差しも。


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