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*名探偵コナン*短編集*

第2章 *File.2*降谷 零*(R18)


「朝早くから、すまなかったな。風見」

雪乃の現状を調べて欲しいと風見にメールで連絡を入れたのが、昨夜遅く。
状況から考えれば、俺がこちらへ戻って来てから、雪乃は神隠しにあっていた。と言う表現が、一番しっくり来るかもしれない。
雪乃の生活は、俺の生活は、あの日までも、あの日からも、何一つ変わっていないのだから。

「…ん?」
「起こしたか?」

柔らかな髪を撫でると、重たげにゆっくりと瞼が開く。

「今、何時?」
「9時前だ」
「えっ?」
「心配はない。雪乃は仕事休みだろ?俺も非番だ」
「……ムリ、言ったんじゃないの?」
「誰に?」
「風見さん、に」
「残念、非番は本当。休ませてもらったのは、ポアロの方だ」
「ダメじゃん」
「一年ぶりに再会したお前より、俺はポアロの方が大切だとでも?」
「……言い方がズルいよ」
「それは悪かった。だが、事実には変わりない」
「寝起き早々に泣かさないで」

潤んだ瞳を隠すように、胸元に額を押し付ける。

「……また、誘ってたりするか?」
「それは無いから!それにまたって、何?」

無自覚か、やっぱり。

「そこまでハッキリ否定されると、また抱きたくなる」
「絶対ムリ!それから、ずーっと気になってたから、一つ聞いてもいい?」
「何を?」
「今までに、かなーり場数を踏んでるでしょう?」

何を想像して、一体どんな目で俺を見てたんだ?!
オマケに場数って、何だ?
恋愛の話ではなく、実はケンカの話なのか?!

「歳が歳だから、経験はなくはない。だが、此処暫くは恋愛するヒマすらなかったよ」

ゼロと安室透、そしてバーボンを掛け持ちしていたのは、まだ記憶に新しい。

「……ハニトラ、とか?」
「したこともされたことも一度もない。が、して欲しいのか?」
「!!」
「ご所望なら、今直ぐにでも始めるが?」

手首を握り締めて、雪乃の上に跨る。
ハニトラの方法なら、考えれば、直ぐにあれこれ思い付く。


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