第2章 *File.2*降谷 零*(R18)
「雪乃」
「?」
耳元で囁くように、名前を呼ばれる。
この声は、一体誰?
懐かしい。
でもそれ以上に、凄く愛しい。
「ムリをさせたな」
大きな手のひらが、優しく髪を撫でた。
「…零くん?」
「おはよう」
「えっ?もう朝っ?!」
この目を開くなり慌てて起こしかけた身体は零くんの逞しい身体に包み込まれていて、身動き出来なかった。
もしかしなくても、何度かイかされたと同時に意識まで飛ばしてしまった?
「まだ夜明け前だ。昨夜のこと、覚えてるか?」
「あっ!」
こんなまったりしてる場合じゃない!
「雪乃の家の風呂場の扉と、ウチの風呂場の扉が繋がっていた。で、合ってるか?」
「そうとしか考えられないよ」
私は普段と変わらずに、お風呂に入ってパジャマに着替えて髪を乾かした後に、風呂場の扉のノブを回しただけ。
「あれから、引っ越しは?」
「してない。だからって、パジャマ姿で移動はなくない?」
「今は真っ裸、だけどな」
「!」
柔らかい笑顔に、胸がドキッと弾む。
不意打ちで、ズルい。
ついでに、太腿に硬いモノが当たってます、よ?
ワザと、ですか?
「今から第二ラウンド開始」
「はい??」
「全然足りない。一年分だ」
「…あ、ンっ!」
太腿に触れて身体を開かれたと思ったら、遠慮無しにズブリと音を立てて、まだ濡れているナカに零くん自身が侵入してくる。
「ふぅ」
「零、くん」
「ん?」
何度か果てた後だから、多分、私が思っている以上にナカがキツいんだと思う。
苦しげでいて、腰に来るような色気のある吐息を洩らした後、視線が絡み合う。
「ずっと、ずっと逢いたかったの」
「俺もあれから毎日願っていた。また、雪乃に逢えるようにと」
伸ばした腕で、零くんをギュッと抱き締める。
温かい。
一体何がどうなって、私と零くんの時間が重なり合ったのかは分からない。
だけど。
確かに生きている。
私と零くんは同じ今、この時間を。
確かに此処にいる。
私と零くんの身体の一番大切な場所が触れ合えるほど、直ぐ傍に。
「アイシテル」
もう、貴方以外、誰も愛せない。
貴方と出逢った、あの瞬間から。