第2章 *File.2*降谷 零*(R18)
「んっ」
近い場所で視線が絡み合ったのは、一瞬。
何も言わずに、唇を重ねた。
ああ、記憶のままだ。
雪乃を抱き締めたこの肌の温もりも、唇の柔らかさも。
まだ水分を少し含んだ、洗いたてのシャンプーの香りも。
「…ふっ…あ、ンっ」
指先を背中に這わせてブラを外す。
間を空けることなくパジャマのボタンを外して直に胸に触れれば、ピクリと身体が跳ねた。
「このまま抱くぞ?」
「…うん」
唇を僅かに離して囁けば、ゆっくりと開かれた瞳はやはり涙で滲んでいた。
だが、恐怖でも不安でもない、それは喜びに満ちたもの。
「もう、二度と離さない」
「私も」
雪乃は幸せそうに微笑んで、俺をきつく抱き締め返した。