第11章 電話越しの彼
感心しながら彼女を見つめていると美々ちゃんは辺りを見渡しながら言った
「そう言えば沖田くんは一緒じゃないの?」
『へ?』
「だから沖田総悟、せっかく可愛い服着て来たの彼に観てもらおうと思ったのに…」
『あぁ…いや沖田は…』
"別れた"
そう言おうとした次の瞬間、突然妙ちゃんと神楽ちゃんが現れて私の両腕を掴むとササッとその場から彼女たちの座る席に移動させられた
「桜久しぶりアルな!飲んでるアルカ?」
『あ…いや今来たとこなんだけど』
「ほら、せっかくの銀八会なんだからもっと飲んでッ」
『一応まだ未成年者なんだけど』
妙ちゃんが入れてくれた何かよくわからない名前のお酒のグラスを見つめる
でも…そっか。今は飲んだ方がいいのかな…。
この2週間…ずっと沖田や高杉のことで悩みっぱなしだったし。
今だけは何も考えずに過ごすのが…一番良いのかもしれない。
私はそっとグラスのお酒を口に含んだ