第11章 電話越しの彼
" 着信 志村妙 "
画面に表示された名前に少し安堵して通話ボタンを押した
『はい…もしもし』
「あ、桜ちゃん?」
『妙ちゃん…どうしたの?』
「いきなりごめんなさいね。明日銀八会だってこと忘れてないかしらと思って確認の為に一応電話してみたの」
『あぁ、もう明日になるんだね…何か早く感じちゃった』
「そう?私はやっとこの日が来たって感じだけど…久々に元Z組で集まれるし、桜ちゃんにも会えるし、とても楽しみだわ。新ちゃんや神楽ちゃん達も桜ちゃんに会うの楽しみにしてるから絶対に来てね」
『……うん、行くよ。…私もみんなに会いたいから』
「そう、良かったわ!じゃあ明日の夕方6時に、例の場所でね」
『うん、電話ありがとう。またね』
妙ちゃんとの通話を終え、再びベッドに仰向けに寝転がった
『明日…か。』
沖田も明日…来るのかな。高杉はどうだろう…。
私は…2人にちゃんと接することが出来るだろうか。
正直…沖田にも高杉にも会うことにあまり気は進まないけど、Z組のみんなに会えるし…こうして家にいるよりはずっと気が紛れるかもしれない。
…それにきっと、
沖田とちゃんと話せるのもこれが最後かもしれないから…。