第10章 緊急会議【歩視点】
「えーでは、只今から緊急会議第2部を始めます」
「あ、これ緊急会議なんですか」
「つーか第2部って何だよ…」
冷めた目でそう言うひじ君とジミー
「はいそこ!私語は慎むように。尚、これまで第1部で話していた内容は全て忘れて下さい」
「いや忘れるんかい!」
なんてこった。冗談で話してたことがまさか本当のことになっていたなんて…。
「というかひじ君、わかってたんならもっと早くに言ってほしかったんだけど!」
「そうだよひじ君!大親友の私にも黙ってたなんて酷いよ」
「仕方ねェだろ、言うなって言われてたんだからよ。てか誰がひじ君だ!!」
やっぱり桜が沖田くんを振ったんだろうか…。
ぶっちゃけ別れたことよりも何故そうなったかの方が気になるな。
「ねぇひじ君、沖田くん今からここに呼べないかな?」
「はぁ…あれは駄目っすよ。昨日からずっと不機嫌で今朝は電話にも出やがらなかった」
「そっかー…」
本人に聞けば確実だと思ったけど、どうやら無理らしい。
「何で別れたんだろうね…」
素朴な疑問を零すと神楽ちゃんが何か思いついたように言った
「じゃあ銀八会で直接聞けばいいアル!」
「銀八会?」
「ええ、再来週に元Z組のメンバーで集まる通称銀八会っていうのがあるんです。桜ちゃんも沖田くんも来るみたいだし話せるチャンスかもしれないわね」
そう言って神楽ちゃんと顔を見合わせる妙ちゃんにひじ君が言った
「ちょっと待て。この状況であの2人が銀八会に来るとはとても思えねーんだが」
「そうだね、気まずくなること間違いないし」
「そこは俺達が上手くフォローするしかないだろう」
「フォローってどんなだよ」
ゴリさんの言葉にひじ君が返す
「要するに2人とも銀八会に来れさえすればいいわけだから私達で何とか来るように仕向けましょう」
「お妙さん!そうですね、2人で力を合わせて頑張りましょ…ぐはッ!」
「オメーは来るな」
…どうやらこの件については彼らが上手くやってくれそうだ。
「あ、良かったら歩さんも銀八会にどうですか?事情を話してくれた1人ですし…」
「いや、俺はいいよ。せっかくのクラスの集まりに関係ない大人が入ってもあれだしね…それに、
俺は他にやることがあるから」
やっぱり俺は兄貴としてあいつの力になってやりたいんだ。