第10章 緊急会議【歩視点】
「と、いうわけで……助けて下さいぃぃ!!」
「…は?」
あれは俺の知っている桜ではなかった。
早急に何とかせねばなるまいと俺はかぶき町へ向かい事情を知ってそうな人達を集めることにした
「悪いねみんな、急にファミレスに呼び出したりなんかして」
「いや…つーかアンタ確か吉野の従兄だったよな?」
「あぁ、水野歩だよ。久しぶりだね」
そう言って目の前に座る黒髪の男の子に頷く
「とりあえず、君達には色々と聞きたいことがあるんだけど…まずは自己紹介から始めようか」
「はいはい!桜の大親友の神楽アル!」
「同じく志村妙です」
「総悟くん達の大学の剣道部マネージャーしてます、中村琴梨でーす!」
「おっけー、神楽ちゃんに妙ちゃんに琴梨ちゃんね。よろしく」
「俺は元クラスメイトで剣道部の部長、近藤勲です!」
「…土方」
「俺、山崎っていいます」
「あぁ、ちょっと待って。俺野郎の名前覚えんの苦手だからあだ名で呼んでもいい?えっと…ゴリさんにひじ君にジミーだね。よろしく!」
「あだ名すらすっげえ適当なんですけど!!」
「いや俺にいたっては何にもかかってませんよ!?」
そうか、この子達なら桜のことよく知ってるだろうし、今回のことも何かわかるかもしれないな。
「それで、えっと歩さん?…私達に聞きたいことって何なんですか?」
「あぁ、実は桜のことなんだけど…」
それから俺は昨日から今朝までの事情を全てみんなに話した
「桜ちゃんの元気がない…それは心配だな」
「そうなんだよゴリさん。それに今朝の俺に対するあの物言い…桜は絶対あんなこと言う子じゃないんだよ」
「んー…反抗期とも違うだろうな」
「グズッ…前はもっと優しい子だったのに…いつの間にあんな風になってしまったのでしょう…」
「オメェら一体どの立場で会話してんだよ」
そう言ったひじ君のツッコミは桜が言っていた通り絶妙だった
「元気ないって…昨日からだロ?私達昨日桜に会ったアルヨ?」
「え、まじで?」
「ええ、でもその時は普通に元気そうでしたけど」
「んじゃあ、その後だな」
「というか、桜ちゃんは昨日何しに来たんだろう」
ゴリさんの言葉に皆一斉に静かになった