第9章 衝突
「オイ…何気持ち悪ィ顔してんだ」
『え、べ、別に…てか気持ち悪いって酷ッ!』
でもそっか…高杉を家に入れたことで怒ってたわけじゃなくて泊まるかって聞いたことがいけなかったんだ…。
そうだよね。私だって付き合ってない時に沖田の家に行ったりしてたし、それにキスだって外国では挨拶がわりにするとかって言うし…
案外こういうの…友達なら普通のことなのかな。
「あ、やべェ…休憩終わる」
ボーッと地面を見つめていると沖田が時計を見ながら言った
あ、そっか…バイトの休憩時間使って抜けて来てくれたんだよね。
『わざわざごめんね、私沖田が怒ってる理由がわからなくてずっとモヤモヤしてたんだけど、こうして話せて良かったよ!スッキリした!』
「…ふーん」
『そういえば、沖田は私に話って何だったの?』
「…俺ァ…」
沖田は何故だか言いにくそうに私から視線を逸らした
「…忘れた」
『ええ!?』
驚く私を無視して沖田は立ち上がり、鞄を背負った
「まぁ、また思い出したら言いまさァ。それと俺の方こそさっきはキツイこと言って悪ィ…お前が俺の知らねェところで高杉と会ってたのがちょっとムカついたんでィ」
『あ…そ、そっか!や、ヤキモチってやつだね!』
「ん、…まァ…んなとこ」
『お…』
ななななんか!
今日の沖田…珍しく素直なんですけど!?
『や、やだなぁ〜沖田ッ!そんなこと言われたら私鼻血出ちゃうじゃないっ!』
「変態」
『いや何でそこだけ真顔!?』