第8章 本音
「お待たせしました。サンドイッチです」
『あ、ありがとうございます…』
しばらくしてさっきの店員さんがサンドイッチを持ってきた
『わ…美味しそう』
「新作なので今1番人気なんですよ」
『そうなんですね、これにして良かったです』
「はい、うちの店の人気スタッフが作ってますので自信持って美味しいって言えますよ」
『人気のスタッフさん?』
女の人かな?
「沖田って言うスタッフですよ、たまにこういったウェイターもしますけど、今日はたまたま厨房に入ってるんです」
お、沖田ぁああ!?
え、なに…じゃあ目の前にあるこのサンドイッチは…
沖田の手作りってことおお!!?
「あの…お客様?」
サンドイッチを見つめ一人興奮していると店員さんが若干引き気味に私を見つめた
『あ、すみません!えっと…ちょっと写真取っておこうかなって…』
「あ、はい。ごゆっくりどうぞ」
苦笑いしながら店員さんは去って行った
沖田の作ったサンドイッチをじっくりと目に焼き付け、一口食べた
はぁ…美味しい。
沖田の手作りを食べられるなんて夢みたいだ…。
サンドイッチを完食した私はそのままお会計をしにレジカウンターまで向かった
あ、そういえば結局沖田には会えなかったな…。
まぁ、厨房にいるなら仕方ないか…
また今度電話して改めて会いに来よう、それに…正直会えたとしても上手く話せる自信ないし…
『すみません、お会計お願いします』
「500円になりやす」
『はー…え!?』
聞き覚えのある声にお財布の中身から視線を目の前の店員に向けた
そこに立っていたのは…
「あ、…やっぱオメーか」
お、沖田ァアア!!?